肥料の種類
肥料には様々な種類があり、適切な使い分けが必要です。
けして多く使えばよいわけではなく、野菜の種類や土壌、生育具合によって必要量も異なってきます。
農園では、備え付けの肥料樽に目安量を記載していますので、適量を守ってお使いください。
また、野菜ごとにいつ何を使えばよいかは、個別の栽培辞典に掲載しています。
ここでは、肥料に関する基本知識をご紹介します。
肥料の種類
肥料は原料によって、大きく2種類に分けられます。
● 有機肥料
…動植物由来の有機物を原料とし、微生物の分解を経て野菜に吸収されるため、効果の現れ方は穏やか。分解時に発熱し、独特のにおいがあるため、害虫を寄せることがあります。
● 化学肥料(無機質肥料)
…鉱石や硫酸などに、化学的な加工をして生産したもの。すぐに植物に吸収されるため速効性に優れていますが、その分過剰症には注意が必要です。
主な成分について(N・P・K)
肥料は多すぎず少なすぎず、バランスよく与えることが大切ですが、野菜の生育過程で最も多く消費される成分は3つ。
多量要素・三要素ともいい、よく元素記号の「N-P-K」で表されます。
● 窒素(N)
…別名「葉肥え」ともいい、野菜の体を作る主成分。
葉や茎を大きく、葉の色を濃くします。
多すぎると:実がつく前に葉や茎に栄養を取られ、枯れたり病害虫がつきやすくなる。
不足すると:栄養失調を起こし、葉が黄色くなり育たなくなる。
● リン酸(P)
…別名「実肥え・花肥え」ともいい、花や実の成長を促す成分。3つのうち、比較的過不足が起きにくい成分です。
多すぎると:必要以上には吸収されないため、過剰障害はほとんどありません。
不足すると:土壌にある程度蓄えられているため、不足することはありません。
● カリ(K)
…別名「根肥え」。水分のコントロールに必要な成分で、根や茎を丈夫にします。
多すぎると:過剰障害はほとんどありません。
不足すると:水分ストレスに弱くなり、根腐れを起こしたり、古い葉の先端から黄色く枯れたりする。
市販されている肥料の多くは、パッケージでこの3つのバランスを示しています。
迷ったら、過不足による影響が最も大きな窒素の必要量を基準にして選ぶとよいでしょう。
肥料を与えるタイミング
肥料を与えることを「施肥(せひ)」といい、そのタイミングによってさまざまな呼び方があります。
● 元肥(もとごえ・もとひ)
…植え付け前に加える肥料。緩やかに長期間肥効が続くものを使うことが多い。
● 追肥(ついひ・おいごえ)
…成長に従って、生育中に追加で与える肥料。
ほかにも…
● お礼肥(おれいごえ)
…収穫後、栄養を補うために与える肥料。
● 寒肥(かんごえ)
…冬場の休眠期間の後に与える肥料。
詳しくは個別の栽培辞典でタイミングなどをご説明しています。