野菜が元気に育つ土とは
野菜づくりの基本となる土。まずは「よい土」の条件を知りましょう。
野菜が元気に育つには、根をはりやすく、生育に必要な養分や水分・酸素を十分に含んだ土壌が必要です。
1年、2年と時間をかけて耕していくことで、「よい土」を作っていきましょう!
一つの目安としては、力を入れずに支柱を差し込み、30cm程スッとささること。
そのような土を拡大すると、内部は「団粒構造(だんりゅうこうぞう)」という特殊な構造になっています。
「団粒」とは、細かな土の粒子が微生物によって団子状にまとめられたもの。
団粒の内部には適度な水分・養分が保たれる一方、団粒と団粒の隙間に、酸素や余分な水分の通り道が確保されます。
団粒化した良い土の条件をまとめると…
● 有機物・養分が豊富
…微生物が活発になり、野菜にも養分が行きわたる。
● 通気性・水はけがよい
…酸素が行き渡り、根腐れを起こしづらい。
● 適度な保水性がある
…野菜と微生物の生育に必要な水分が保たれている。
● pH値が適切である
…野菜が好む中性~弱酸性である。
● 雑草や石などの異物が少ない
…根を張りやすく、野菜がのびのび育つ。
土を団粒化させるには、微生物の活動を促すことが大切です。
その下準備となるのが「耕す」作業です。
土の下準備(耕し方)
1)雑草や石などの異物を取り除く
レーキを使い、できるだけ異物を除去する。
2)深さ30~40cmまでまんべんなく掘り起こす
スコップまたはクワを使い、掘り起こしながら硬い土の塊をほぐす。
同時に土の深くまで酸素を取り込むよう、空気を含ませながらしっかり耕す。
3)苦土石灰を混ぜ込み、最短5日~1週間ほど寝かせる
【1m2あたりの目安量】
● 苦土石灰の量 約100ml / m2
【1ウネあたりの目安量】
● 苦土石灰の量 約250ml (ビーカー1/2杯)
日本の土は多くが酸性のため、アルカリ性の石灰を混ぜることで野菜が好む弱酸性のpH(6.0~6.5)に調整する。
4)牛糞堆肥、化成肥料を追加する
野菜に必要な養分を補うため、植え付け前に堆肥などを混ぜ込み、微生物のエサとなる有機物を増やす。
さらに1週間置いて、土の準備は完了です。
【1m2あたりの目安量】
● 牛糞堆肥 約500ml / m2
● 化成肥料 約100ml / m2
● 油かす 約100ml / m2
【1ウネあたりの目安量】
● 牛糞堆肥 約1500ml (ビーカー3杯)
● 化成肥料 約250ml (ビーカー1/2杯)
● 油かす 約250ml (ビーカー1/2杯)